記事
センサー情報相互運用配信システム について
1.はじめに
センサー情報は、ファイルやメールなど様々な媒体で観測システムより出力されます。これらに対応できるように設定ファイルを介してデータをセンサー情報相互運用配信システム(以下本システム)が解析し、相互運用可能なインターフェースであるSensor Observation Service(以下SOSという)に基づき配信を行うことができます。本システムは、SOS関連のオープンソースのプログラムを開発している52North (5.参考[1]) を利用しています。
本システムと、相互運用gサーバ、eコミマップを利用することにより、ウェブ上で公開されているセンサーデータを国際標準のWebインターフェース(OGC)形式の地図データであるWMSで配信、取得が可能となります。
2.システム間の連携
・本システムは、ウェブ上で公開されているCSV形式のセンサーデータを一定間隔で取得、あるいは、メールで配信されるセンサーデータを受信します。
・取得あるいは受信したセンサーデータをSOS形式でデータベースに格納し、外部からのSOSリクエストに対してSOSレスポンスします。
・相互運用gサーバ(5.参考[2])は、SOSレスポンスを受けてWMS形式でデータを配信します。
・一般的な地図ソフトウェア(ここではeコミマップを利用)においてWMSレイヤを地図上に表示することが可能となります。
3.具体的な利用例
ここでは、具体的な利用例として、Web上に公開されている「ふじのくにオープンデータカタログ」の雨量情報 (5.参考[4]) を取得して地図上に表示します。
3.1 設定
SOS格納配信サーバは、以下の手順を実行してOGC SOS仕様に準じた配信サービスを行います。
- 公開されているセンサーデータ(Web上あるいはメール配信)に対して定期的にHTTPアクセスあるいはメールサーバにアクセスして時刻とセンサー値が記述されているファイルを取得する。
- 取得したファイルを解析して時刻とセンサー値をデータベースに格納する。
- 格納されたデータをOGC SOS仕様に従ったリクエストに対してレスポンスする。
そのため、ファイルの取得先や、ファイル解析時のデータ構造をあらかじめ設定する必要があります。詳細な設定については、「センサー情報相互運用配信システム 配信設定マニュアル」(5.参考[3])を参照してください。
3.2 利用例
1)雨量データ
以下のようなCSVファイルで公開されているデータを配信対象データとします。
obs_time 観測時刻 |
point_id 雨量観測局番号 |
rain_10min 10分雨量 (10倍値 mm) |
rain_60min 60分雨量 (10倍値 mm) |
rain_integ_resetspc 24時間連続雨量 (10倍値 mm) |
---|---|---|---|---|
2014-06-25 15:50:00+09 | 37 | 0 | 0 | 0 |
2014-06-25 15:50:00+09 | 101 | 70 | 140 | 190 |
2014-06-25 15:50:00+09 | 102 | 90 | 200 | 250 |
2014-06-25 15:50:00+09 | 103 | 0 | 20 | 320 |
2014-06-25 15:50:00+09 | 104 | 100 | 140 | 170 |
2014-06-25 15:50:00+09 | 105 | 0 | 0 | 20 |
2014-06-25 15:50:00+09 | 106 | 0 | 10 | 50 |
2014-06-25 15:50:00+09 | 201 | 0 | 40 | 70 |
2)SOS配信データ
SOSリクエスト例
http://xxx.xxx.xxx.xxx/NIED_SOS/sos?REQUEST=GetObservation&SERVICE=SOS&VERSION=1.0.0&OFFERING=INUNDATION&OBSERVEDPROPERTY=urn:ogc:def:phenomenon:OGC:1.0.30:inundation&RESPONSEFORMAT=text/xml;subtype="om/1.0.0"
SOSレスポンス例(抜粋)
<gml:Envelope srsName="urn:ogc:def:crs:EPSG::4326">
<gml:lowerCorner>35.30978056 139.4322361</gml:lowerCorner>
<gml:upperCorner>36.124777 140.090877</gml:upperCorner>
</gml:Envelope>
</gml:boundedBy>
<om:member>
<om:Observation gml:id="go_1433831463316">
<om:samplingTime>
<gml:TimePeriod xsi:type="gml:TimePeriodType">
<gml:beginPosition>2015-04-02T23:50:01.000+09:00</gml:beginPosition>
<gml:endPosition>2015-06-08T23:50:01.000+09:00</gml:endPosition>
</gml:TimePeriod>
</om:samplingTime>
<om:procedure xlink:href="urn:ogc:object:feature:Sensor:NIED:flood-3"/>
<om:observedProperty xlink:href="urn:ogc:def:phenomenon:OGC:1.0.30:inundation"/>
<om:featureOfInterest xlink:href="http://localhost:8080/NIED_SOS/sos?REQUEST=GetFeatureOfInterest&service=SOS&version=2.0.0&featureOfInterest=foi_flood_sensor_3-INUNDATION" xlink:title="foi_flood_sensor_3-INUNDATION"/>
3)相互運用gサーバのWMS配信データ
4)eコミマップのWMS受信例
4.最後に
「センサー情報相互運用配信システム」は、ウェブ上で配信されているCSVのデータフォーマットあるいはメールで配信されるデータフォーマットを設定ファイルで定義することで様々なデータフォーマットに対応できるように考慮しています。
これにより
・センサーデータ情報をOGC形式で共有可能
・共有したセンサーデータ情報を判断、意思決定に利用可能
・共有したセンサーデータ情報を加工し、SNSに発信可能
となります。
また、昨今話題のモノのインターネット(IoT)にも利用できるため今後活躍の場が広がっていくと思われます。
5.参考
[1]52 North
[2]相互運用gサーバ
https://ecom-plat.jp/group.php?gid=10459
[3]センサー情報相互運用配信システム 配信設定マニュアル
https://ecom-plat.jp/index.php?gid=10471#sensor
[4]ふじのくにオープンデータカタログ 雨量情報
http://sipos.shizuoka2.jp/rain-river/DownLoad.html?type=rain&mode=list
off
http://www.kitsonlinetrainings.com/dot-net-online-training.html
http://www.kitsonlinetrainings.com/etl-testing-online-training.html
http://www.kitsonlinetrainings.com/exchange-server-training-institute.html
http://www.kitsonlinetrainings.com/oracle-dba-online-training.html
http://www.kitsonlinetrainings.com/sap-security-online-training.html
http://www.kitsonlinetrainings.com/sap-grc-online-training.html
http://www.kitsonlinetrainings.com/sap-abap-on-hana-online-training.html