防災科研の技術記事

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平成29年九州北部豪雨への情報支援の概要および遠隔支援の試みについて

防災科学技術研究所(以下、防災科研)では、平成26年9月関東・東北豪雨(いわゆる常総水害)や平成28年熊本地震の災害対応に対して、発災直後から研究員を被災自治体に派遣し、被害状況や対応状況などに関する様々な地図情報をWeb-GISに整理したうえで、防災関係機関に提供するという情報支援活動を実施してきた。こうした実災害への支援活動を通じて、全国の自治体をはじめとする防災関係機関との人的ネットワーク、あるいは発災時に速やかに情報支援活動を開始するための対応体制を整えようとしている。
このような中、平成29年7月5日に発生した九州北部豪雨に対しても、発災の数時間後には、福岡県庁および大分県庁の防災担当部局と連絡をとり、翌朝から研究員を常駐させ、情報支援活動を実施した。
本稿では、九州北部豪雨に対する情報支援活動の概要を速報として紹介するとともに、蓄積した膨大な地図情報(Web-GISのデータ)を発災直後の災害対応だけでなく、復旧・復興事業にも活用していただくための新たな取り組みである遠隔支援について報告する。

 

九州北部豪雨への情報支援170829-2.pdf