防災科研の技術記事

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福岡県庁内における情報支援活動 -平成29 年7 月九州北部豪雨における取り組みを事例に

(防災科学技術研究所主要災害調査 第52 号 2018 年9 月)より抜粋

 

2011 年東日本大震災や2014 年長野県神城断層地震,2016 年熊本地震などにおいても災害発生後に研究員が現地入りをし,自治体や災害ボランティアセンターなどに対して災害対応における地理情報システム(GeographicInformation System:GIS)の利用を提案して情報・技術支援を実施してきた(長坂ほか,2012;田口ほか,2015;田口ほか,2016 など).筆者らがこれまでの災害対応における情報支援活動において活用したGIS は,防災科研が研究開発を行っているWeb-GIS 注1 ツールの「e コミマップ注2」(防災科学技術研究所,2009)である.「e コミマップ」は地理空間情報の作成や管理,外部から情報取得,情報発信および共有を行うことが可能である.九州北部豪雨対応では情報の一元的管理にe コミマップを活用した.
また,e コミマップで一元管理した情報を目的に応じた地図として出力・提供する際には,ESRI 社が提供するデスクトップ型GIS ソフトウェアであるArcGIS Desktop を利用した.
本稿では「平成29 年7 月九州北部豪雨」において,福岡県災害対策本部を中心に福岡県内で実施した情報支援活動を事例に述べる


注1: Web-GIS とはWeb サーバ上にGIS 環境を構築し,インターネットなどの回線を通じてアクセスし利用するツールのことである.
注 2:「 e コミマップ」とは地域住民自らが参加型で地図を作成し,グループ内や外との情報共有が行えるWeb マッピングシステムのことである.防災科研が研究開発し,現在はオープンソースで無償公開されている.報支援活動を事例に述べる。

 

福岡県庁内における情報支援活動(pdf)